仏教とは何か
自分なりの解釈
澤山 晋太郎
仏教に関して人によって色々なイメージを持っていると思います。多くの人は宗教だと思っているかもしれないです。実際に宗教の側面もあります。そして、多くの日本人は宗教をまだ怖がっていたり、忌み嫌っていると思う訳です。これにはオウム真理教事件があると思っています。そして、日本人の多くは、実際にはお墓参りなどの先祖例崇拝という宗教を信奉しているのにも関わらず、無宗教なんだと言い張っています。この先祖例崇拝ですが、日本に弥生時代に伝わった「鬼神信仰」がもとになっています。しかし、自分は仏教は宗教ではないと思っています。仏教とは何か自分なりに言うと、仏になる教え、または仏陀になる教えだと思っています。そして、仏陀とは「精神的に強い人」だと思う訳です。「精神的に強い人」もしくは「精神的に安定した人」のことを仏陀と呼ぶと思う訳です。仏陀のことを仏ともいい、如来とも言います。ただ、仏教を宗教ではないと言うと、敬虔な仏教徒からはよく怒られます。そして、仏教は一つの解釈学であると思っています。実際に釈迦が言ったことを色々と解釈して、その解釈が分かれたから、今の日本には色々な宗派があると思っています。それと、仏教には上座部仏教と大乗仏教があります。自分は大乗仏教の思想のほうを優位に考えています。悟りの開き方には千差万別あると思っていますし、誰もが仏陀になることが可能だと思っています。上座部仏教では仏陀に対して神秘的なイメージがあり、仏陀のことをただの人と言うと上座部の人には怒られてしまいます。後は、輪廻思想を仏教の重要な概念ととらえる人もいます。やはり、人によって仏教の解釈は異なるわけです。特に、自分が仏教のことを「ニーチェが言った超人」ではないかと言うと、仏教界からも哲学界からも苦情が来ます。しかし、自分は仏陀とは超人だと思っていますし、ニーチェはそういう人を馬鹿にしてツラトゥストラを書いたと思っています。そういう人とは真理を探究する人です。真理を探究する人というよりは真理を探究し続ける人のことを馬鹿にしていると思う訳です。そして、それはニーチェ自身に対する皮肉でもあると思っています。
仏教が仏陀になる教えというのなら、どの教えが仏陀になる重要な教えなのか、気になると思っています。自分が挙げるのは、四法印と色即是空が最も重要だと思っています。四法印とは「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」「一切皆苦」の四つです。しかしながら、それを一つにまとめたものが「色即是空」だと思う訳です。特に空を会得すれば、仏教を理解したのと同様だと思っているわけです。しかしながら、自分としてはこの五つのうち、「諸行無常」「諸法無我」「色即是空」の三つが特に重要だと思っています。
諸行無常とは、「あらゆるものは絶えず変化していく、それが苦痛を生み出す元である。しかしながら、世の中には普遍的な理もあり、それを探究していくべきだ」という教えです。諸法無我とは「ありとあらゆる教えは無我の境地に達すること」だと思う訳です。しかしながら、無我の境地がなんなのかわからずに、竜樹が色即是空を考えたと思っています。色即是空の解釈は非常に難しいです。しかし、空を理解すれば、色即是空は分かったようなものです。ナーガールジュナは竜樹のなかで、中道を延々と解き、それから空を解くわけです。つまり、自分はナーガールジュナの言いたいことは中道を極めることによって空という心理的な境地に達することができるとその本を解釈しています。人によっては諦めることによって、欲望から解放されることが空という人もいますし、自分はありとあらゆる考え方に依存しないのを空だと思っていた時もありました。しかし、最近の自分は「世間体にとらわれなければいい」だとか、「得られるものを得てしまい、飽きてしまえばいい」と思っていたりします。
多くの仏教徒は「諸法無我」と「色即是空」の解明に明け暮れていると思う訳です。そして、「諸法無我」がないがしろにされているような気にもなるわけです。しかしながら、空の理解において、諸行無常は必要不可欠だと思う訳です。仏教において因果関係というのは非常に重要なことであったりします。その因果関係の理の探究は物理学などのサイエンスでやっているわけです。特に物理学はあらゆる理の根本を探究する学問で、仏教と物理学は親和性が高いと思っています。現時点では物理学では量子力学と一般相対性理論の二つの普遍的な理論が宇宙を支配していると分かっています。しかしながら、サイエンスは自然科学だけでなく、社会科学、人文科学とあります。自分は今までにあらゆるサイエンスを極めてきたところがバックグラウンドとしてあります。そして、そのことによってあらゆる因果関係を理解したようになっています。サイエンティストにとって、未来が予測できるということに対して、異論はあると思っています。しかしながら、自分は経済学などで訪れる結果を理解しています。この宇宙の因果関係を理解した時に未来というものは完全に予測できると思っています。それはもちろん確率論的な意味においてです。その未来に訪れる結果を理解した時に人間は苦しむのをやめると思っています。自分は大学に残るのをとどまり、個人で研究することにしました。そのほうが自由に研究ができるためです。そして、それと同時にあらゆるサイエンスの探究に明け暮れていました。しかしながら、それが真理への道だったわけです。その真理の探究こそが仏教だと思っているわけです。ニーチェが自虐的に書いた超人がそれであると思う訳です。漫画ではジョジョの六部でプッチ神父が似たようなことを言っています。「未来を覚悟したものだけが本当の天国に行くことができる」と書いています。
ここで自分が仏教の探究について色々と参考にした書物を挙げたいと思っています。
仏教の入門書として、色々とあると思うのですが、自分にはこれが一番わかりやすかったです。
他にも色々な仏教の入門書があります。
そして、やはり、日本仏教の理解のためには般若心経の理解が必要不可欠だったわけです。
他にも色々な本があります。
後はこの中村元さんの「仏陀の言葉」は仏教を勉強する上で必要不可欠だと思っています。他にもブッダの言葉シリーズがあります。
この本は日本の大乗の思想を理解するうえで非常に有意義な書物でした。南都仏教に詳しいです。
後は、この本ですが、仏教の思想史に詳しくて、南都仏教から鎌倉仏教まで色々と詳しいところがあります。
この本は「大乗起信論」という本で、最近になって日本語訳が出版されました。大乗仏教を理解するのに必要不可欠な本です。
この竜樹も外せない本です。色即是空について書かれています。後は中道に関しても書かれています。
後は、この歎異抄は親鸞の思想を知る上で非常に有意義な書物でした。
この正法眼蔵は道元の思想を理解する上で非常に重要な書物でした。全四冊あります。