ロシア語の本
澤山 晋太郎

 ここではロシア語でためになるような本を紹介したいと思っています。ロシア語と聞くとマイナーな言語と思われがちですが、スラブ諸語を学ぶのにロシア語は適していて(言語として似ている)、さらにロシア語は国連の公用語でもあります。また、ロシア情勢や中東情勢においてロシア語のニュースサイトからは、いわゆる西側じゃないほうの情報を手に入れることができます。中東情勢やロシア情勢に関しては西側の情報はかなり偏ったものになっている場合が多いです。日本の中東調査局はかなりしっかりと正確な情報収集をしていますが、ロシアからの情報はためになることが多いです。自分はもともと第二外国語がロシア語で、今ではロシア語のニュースサイトを読んでいますが、どのような勉強をすればそのようになるのか、読んできた本の紹介をしたいと思っています。
NHK新ロシア語入門 (CDブック)
入門書としてはこれが最もいいと思っています。文法も一通り説明されています。ただ、ロシア語の文法は難しいほうなので、理解するのには苦労するかもしれないです。被動系過去単語尾がロシア語の文には大量に登場しますが、そこから元の動詞の形を類推するのはある程度の訓練が必要になります。ロシア語の辞書には動詞の不定形しか主に書いてないので、動詞の変化から元の不定形を類推するのが非常に重要になります。
現代ロシア語文法 新版
現代ロシア語文法―中・上級編
これがロシア語の文法書としてはかなりいいものとなっています。ただ、ロシア語専門の出版社の東洋書店さんが倒産してからはプレミア価格が付くようになっています…上で書いたNHK新ロシア語入門に書いてないような文法は中・上級編の本に書いてあります。東洋書店さんが倒産してからはロシア語の良書が手に入りづらくなっています。復活してほしいけれど、ロシア語は需要が少ないんじゃないかと思っていたりします…
A Comprehensive Russian Grammar (Blackwell Reference Grammars)
ちなみに、洋書では上の文法書がいいです。英語が読めるのなら上の本をお勧めします。
これなら覚えられる! ロシア語単語帳 (CDブック)
語学はやはり単語でこのNHK出版の本がもっとも入門的な単語集になると思っています。文字も大きくて覚えやすいです。発音もカタカナ表記です。ロシア語の動詞の接頭語についても少し詳しく書かれているのでためになると思います。
今すぐ話せるロシア語単語集 (東進ブックス)
上の本よりももうちょっと上のレベルだとこの東進ブックスの単語集になります。一応、このレベルで日常会話レベルまでカバーできます。初級から中級レベルまでの単語がカバーされています。
時事ロシア語
これはもともと東洋書店さんの本でしたが、出版社を変えて出版されるようになったようです。大体、これを一冊仕上げればロシア語のニュースなどを読めるようになっています。
ロシア語初級読本
ロシア語中級読本
自分が学生の頃は文法が終わればいきなり原文にあたっていたのですが、最近だと読本が出ています。東洋書店さんの本で中古しか手に入らないようになっていますが、良書です。ただ、やはり文法が終わった程度の人にはちょっと難しいようになっています。
CD2枚付 口が覚えるロシア語 スピーキング体得トレーニング
CD2枚付 耳が喜ぶロシア語 リスニング体得トレーニング
ロシア語で意外とためになった本が上の二冊です。スピーキングの本には言い回しや知らない単語が載っていて非常によかったです。リスニングの教材は読解の練習になりました。
日常ロシア語会話ネイティブ表現(CD+テキスト)
NHK出版CDブック こんなとき、どう言う? ロシア語表現力トレーニング
ロシア語の日常会話で助かったのはこの二冊です。
 自分が大学生や大学院生のころはロシア語の教材などほとんどなく、文法が一通り終わればいきなり原文に挑んでいましたが、最近だと教材も本当に増えてよかったと思っています。院生のころはロシアの歴史の本やスターリンの原著論文を読解していました。初めはB5半ページの読解に12時間くらいかかりましたが、最終的にはA4二ページを二時間で訳せるようになりました。最近ではロシア語のニュースサイトを結構早く読めるようになっています。
ロシア語のニュースサイトで有名なものはイタルタス通信などです。自分はよくここを読んでいます。自分としてはロシア語の単語帳で中上級レベルの本が出版されたらうれしいのにとは思っています。あとは、ネットでロシア語を読むときに非常に便利なのはbingで翻訳というやつです。windowsのIEに標準で付いてきます。これが意外と便利です。これでも翻訳が難しいものは、
https://ja.glosbe.com/ru/ja/
http://yakuru.net/
上の二つのオンライン辞書が役に立ちます。ただ、ロシア語の場合はまだ紙の辞書のほうが役に立つことが多くて、自分は露和辞典では博友社と旺文社の二つの辞書を持っています。あとは、和露辞典では旺文社のものが一番いいです。というか、他にあまりないです。
博友社ロシア語辞典
研究社露和辞典
研究社 和露辞典 <改訂版>
あと、ロシア語のニュースサイトでは単語がちょっと難しいですが、文法は文学などに比べて非常にシンプルになっていて読みやすいです。あとはロシア語の単語でも外来語が増えて英語との類推で読めるようになっています。かなり変化の激しい言語で、いつのまにか、英語のstartがロシア語に取り入れられていたくらいです。ロシア語は表記と発音が一致しているので、日本語で言うカタカナみたいなものなので、外来語の取入れが簡単なようになっています。逆に言えば外来語が多いので、単語を暗記するのが楽でもあります。日常会話で使うようなロシア語はロシア語独自のものが多いですが、時事のロシア語になると外来語がかなり増えます。
日本でのロシア語の専門店だとナウカさんがあります。ネット通販もできるので非常に重宝するお店です。神保町にあって東京に住んでいたころは行っていました。神保町にはロシア料理のお店も二件くらいあります。ちなみに、ロシアの黒パンはネット通販で買うことができます。ただ、クワスという飲み物はネットで手に入らないようになっていました。ロシア産のウォッカは変なアルコールが入っている時があるので避けたほうがいいです。北欧産のスコッチのほうが安全でおいしいです。あとは、フルーツ酒は日本でも普通に手に入ります。カルディーコーヒーなどで売っています。
 ロシア旅行ですが、ビザ以外にインビテーションレターが必要になります。個人で取得できるのならいいのですが、旅行代理店を通すと高くなります。あとは、ロシア旅行中にはどのホテルに滞在しているのかなどネットでチェックされるようになっています。この辺りは日本とロシアが完全に国交正常化していないためです。ただ、ウラジオストクには入りやすくなっていて、新潟からウラジオストクに入るのは容易になっています。
2016年4月3日

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